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水簾洞ブログ

夢追い酒

明日、

12月6日は遠藤実没後十年にあたります。

遠藤実の唱でなにがお好きでしょうか?

「北国の春」とおっしゃる方多いですね

杉良太郎の「すきま風」

牧村三枝子の「みちずれ」が好きだって

方も多いです。

私には渥美二郎の「夢追い酒」に母の思い出が

重なります。新川沿いの割烹松のやで毎年同級会が行われ

母の送り迎いをしたものでした。

そんなおり遠藤実から、

じつに良い青年なんだが中々陽を見ないと

紹介された青年が渥美二郎だった。

自分は当時若かったことで演歌にはまったく興味がもてず

会場の隅でシラケ切って待っていたのでした、多くの方々が

レコードを買い求めている姿に、売れない歌手って

こんな年寄りをあいてにレコードを売り歩き

全国各地をさまようのか、

現実相当イヤな商売なんだなぁ、などと思ったことだった。

ところが、

一年後に渥美二郎は有線大賞を受賞しNHK紅白歌合戦に

出場したのだった。母はカラダの底から歓んだ。

なにせ、

その年は遠藤実の「夢追い酒」「北国の春」「みちずれ」

の三曲と小林幸子の「おもいで酒」が大ヒットで

新潟市は大バンザイの万々歳の一年であったのだから。

というか、

人間って心底感動すると声の調子が上滑りし居ても

立っても居られなくなるものだという母の有り様だった。

紅白歌合戦で歌う渥美二郎を見ながら、身を興すとは

アテドモなくこの世に自分自身をアピールして彷徨うこと

なんだなぁ―と思うと同時に、すでに有名作曲家として

不動の地位であった遠藤実という人は、

無名の渥美二郎を自分の地元に連れ紹介してまわった

温情の人だったと思いにいたり。

紅白で「夢追い酒」を歌う渥美二郎が羨ましくもあり

晴れがましくもあり、自分はあのときの渥美二郎のように

夢追い地道な努力を重ねているのだろうか、果たして

夢を追う背中を推して頂けるほどの努力をしているかと

盛り上がる家族をよそに年越しを迎えた思い出がある。

 

 

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