水簾洞ブログ
刈谷田川の鯉女房
師走にはいり 釣行もなかなか厳しい季節となりました
防寒対策、怠り無きようご自愛ください。
さて今日は、
なかなか意味深で思わず苦笑いも漏れる新潟県南蒲原郡の
「鯉女房」と言う昔ばなしを一席話の内容は「鶴の恩返し」の
ようなもので、悲しくもあり、お可笑しみもある。
冬の夜に川の字布団にくるまって女房に含み笑いで尻つねられ
夜伽をするパパさんが目に浮かぶ。
そんな大人の昔ばなしです・・・
季節は夏、刈谷田川の水が減り男衆が網を入れたら
大鯉がとれました、 その噂話を聞きつけた男が
「ほんね見事な真鯉だやぁ~」と鯉を買い取った。
昔から真鯉というものは三尺になれば食うもんでないという
きっと具合が悪るうなってのことであろうと精のつく餌をあたえ
川へ返した。
(以後は鶴の恩返しと変わらぬ)・・・・
「女房が来てから、何をこしらえさせても、何を食べても
精のつく旨いものばかりだ」
どうやって料理を作っているのか見てやろうと
襖の破れ目から覗いた。
女房は、
擦りこぎ棒でかな擦り鉢の味噌をこぎつづけ
やとっこさ鍋に入れ、そんからケツふんまくったかと思うと
鍋またがり
フナだやら鯉だらやの尻尾みてんがん出して鍋のなかさ
グリグリ、ぐりぐりかもしたがぁ~。
「あっきゃきゃ、こんげん化物らがぁ~」
早速、女房ことよばって
「おらぁ、あんべが悪ーりて お前んことおくことならんすけ」
言うて縁切った。 真冬だと言うに着の身一つで出ていった女房に
男は、なじょも、みじょげな事をしたと後を追ってみれば、
女房は刈谷田川の淵に身を投げた、あっ、と雪河原へ走り寄ると
大きな真鯉がゆったりと身をひるがえし泳ぎ去っていった。
冬の越後の寒夜伽へ誘う一席。
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