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十一月の晴釣雨読 艸木虫魚

艸木虫魚    薄田泣菫著

天文学者の言うところによると、

紀元八百六十六年の二月には、月は一度も顔を見せなかった。

 

薄田泣菫と言うと、井伏鱒二が頭に浮かぶ

艸木虫魚目録の「魚の憂鬱」わずか二頁半と

井伏鱒二の「鯉」の両者は、中国地方生まれという

地縁もあるのだろう

この二匹のコイには同じ土壌で育った味がする。

天文学者の言うところ・・・の「蟹」に至っては

腹を抱えて笑いつつ「やられた」とかんしんするそんな

旨さも両者は随分と似た味なので

ちょいと野暮用な折には絶対的携帯本です。

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