水簾洞ブログ
十二月の晴釣雨読 猟期なので吉村昭、動物小説「鴨」「銃を置く」
短編集 海 馬(トド) 吉村昭著
「鴨」 「銃を置く」 新潮文庫
鳥屋野潟は遥か彼方
信濃川沿いに多く点在していた鳥屋も姿を消し・・・
物語「鴨」は
入水自殺を図ろうとする謎の美女を助けたことから
はじまる そんな事があるのでしょうか(笑笑笑)・・・・
鴨猟というと思い出すことがある、
もう数十年ほど前になるが自分と同期に銃猟を始めた
Hが五羽の鴨を低山の溜池で仕留めたと銃砲店から
連絡があり出向くと何やら不穏な空気感である
どうやらHは野がもではなく囮ガモを仕留めた
ようなのだ、どうもそういう・・・・
銃猟者が居撃ちそれも ひも付きの囮ガモ5羽・・・
吉村先生、
今どきの銃猟者は居撃ちなどしないものですよ
囮ガモに寄る野ガモを
どうやったら撃ち分けることが出来るんでしょう。
なので、 出しゃばりを承知の上で
飛行するカモのお話しに補足説明いたします。
「クレー射撃など狩猟の役に立たぬ」の行、
銃猟でクレー射撃スキート・トラップ以外に
銃の腕を上げる方法などありえません。
射撃の腕を上げたいハンターなら警察から
装弾購入届出の手続きを済ませ おおよそ
5000発 クレー射撃手で10000発購入し
ほぼニ三ヶ月で装弾を消費します。
銃砲所持免許を取得すると警察から
消費がないなら射撃を辞め銃を返納しろと言われます。
なので、
皆さん真剣に精進しておられる、遊びじゃぁ出来ません。
さて銃猟ですが、
獲物そのもに標準を合わせていては
120%当りません、ヤマドリの沢下りですと
ヤマドリとの距離約15メーターに対して
向かい矢で振り切りざま
真っ直角の射撃位置でヤマドリの頭頂部から
約1メーター先が狙点というほどのこととなります。
アバウトに単鳥滑空するヤマドリを瞬時に計算し
射撃姿勢をとる それはそう簡単なことではないし
特に群れで滑空するカモ類は狙に迷いが生じるものです。
「銃を置く」の熊撃ち名人が田村銃からライフルへ
移行するに丸一年間一尾の熊も獲れず悪戦苦闘したと
いう話し。
クレー射撃銃、狩猟用自動銃、ライフルの
どちらにしても、銃砲店に飾ってある銃を
そのまま使う者など一人もおりません。
銃砲店と銃所有者の徹底した採寸と作り込み
(例えば、銃の照準に合せるべく
頬付け銃床の位置やトリガーに対する
銃床の握り)なしにクレー射撃手にも
狩猟者にも絶対になれない。
ハンターにできることといえば
獲物に対する立ち位置と狙点を射場で叩き込む。
それに、
溢れる猟欲と呼び戻しの良い猟犬に仕上げ
猟銃(約3キロ)を一日中両手に持ち沢を登る体力、
体力あるのみです。
一回の出猟で3キロ体重が落ちます それが狩猟です。
補足ですが
鴨猟で最重要なものは猟犬の回収能力そして
マガモ(オンタ)の価値はケツの巻き毛の数できまります。
つまらんことですが、
どうやってハンターは銃砲の音に犬を慣れさせると思いますか?
狩猟は先人の方々がおればこそ、
「鴨」の主人公一家の暮らしぶりそのものが伝授的であり
そこが魅力なんだと思う。
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