水簾洞ブログ
四月の晴釣雨読(2017)
鷹匠の技とこころ 大塚紀子著
白水社発行
鷹匠十七代の門外不出の口伝、密術へのオマージュと哀しみ
日本書紀より続く鷹狩り伝統文化が
一片の女性の入門を許したが事でこれだ。
時代を超え門外不出の諏訪流放鷹術を
許可を得たと言え本当に御開帳してしまうとは
「御法度を破れば命落す者とていた世界」
開いた口が塞がらぬ、いや顎が外れた
鷹匠としての矜持がない
歴史、技術、道具立ばかり特化した
超高度なハウツー本、労作ではあります。
戦後日本人が最も蔑ろにしてきた「伝統文化」は遂に
お狩場の鷹匠の世界にまで及ぶに至ったことを示すレクイエム
そう言えば 昔し
法隆寺の名棟梁、西岡常一さんが
「学者は関心せんです」と木訥に語っておられた。
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